
住宅ローン控除はどう変わる?2026年税制改正の要点を解説
2026年の税制改正で住宅ローン控除はどう変わるのか。
控除率0.7%や控除期間、さらには適用期限延長など、ニュースや専門用語が多くて整理しきれず、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、これから数十年にわたって返済していく住宅ローンだからこそ、制度のポイントを早めに押さえておくことで、負担を大きく減らせる可能性があります。
そこで本記事では、2026年税制改正での住宅ローン控除の変更点や、借入限度額・対象住宅の要件、中古住宅やリフォームに関する優遇まで、流れに沿ってわかりやすく整理していきます。
これから住まいの取得や借り換えを検討している方が、損をせずに制度を活用するための考え方と準備のステップを、一緒に確認していきましょう。
2026年税制改正で住宅ローン控除はどう変わる?
まず、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、年末時点の住宅ローン残高に控除率を乗じた金額を、所得税や一部住民税から差し引く仕組みです。
現在は控除率が一律0.7%で、原則として新築住宅等は13年間、既存住宅は10年間控除を受けられる制度設計となっています。
控除額は毎年の年末残高に0.7%を乗じて計算され、住宅ローンの借入額そのものではなく、残高と控除期間が重要なポイントです。
この基本的な枠組みを踏まえたうえで、2026年税制改正での見直し内容を確認していくことが大切です。
次に、2026年税制改正では、住宅ローン控除の適用期限が5年間延長され、入居日が2030年12月31日までの入居者が対象となる方向で整理されています。
これにより、控除率0.7%という基本は維持しつつ、省エネ性能の高い住宅や一定の既存住宅を中心に、借入限度額や控除期間を見直して住宅取得を後押しする方針が示されています。
あわせて、住宅の性能区分や立地条件によって、控除の有利さに違いが出る設計となっている点も重要です。
制度の延長とともに、質の高い住宅ストックの形成を促すことが改正の大きな狙いといえます。
さらに、2025年までと比較すると、「入居時期ごとの適用期限と控除期間の関係」が変化している点に注意が必要です。
従来は、適用期限が2025年末入居分までとされ、その範囲内で新築は原則13年、既存住宅は10年という整理でしたが、2026年以降は2030年入居分まで対象が広がります。
一方で、省エネ要件や立地要件など、新たな条件が加わる年度もあり、入居時期によって受けられる控除期間や借入限度額が異なる場面が生じます。
そのため、自身の入居予定時期を踏まえて、どの年度に入居すると最も有利になるかを早めに確認しておくことが重要になります。
| 比較項目 | 2025年末入居まで | 2026~2030年入居 |
|---|---|---|
| 適用期限 | 2025年12月末入居まで | 2030年12月末入居まで |
| 控除率 | 年末残高の0.7% | 年末残高の0.7% |
| 控除期間の基本 | 新築13年・既存10年 | 新築13年・既存10年 |
2026年以降の借入限度額と対象住宅の具体的な要件
2026年以降の住宅ローン控除では、省エネ性能の高い住宅ほど借入限度額が大きく設定される仕組みが一層明確になっています。
新築と既存住宅で上限額が異なるほか、認定長期優良住宅など「認定住宅」は最も高い借入限度額が認められています。
一方で、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」は段階的に対象外となる方向が示されており、建築計画の段階から性能要件の確認が重要になります。
このように、2026年以降は「どの区分の住宅に該当するか」によって控除額の差が大きくなる点を押さえておくことが大切です。
まず借入限度額について、新築等の場合は認定長期優良住宅・認定低炭素住宅などの認定住宅で上限5,000万円、ZEH水準省エネ住宅で4,500万円、省エネ基準適合住宅で3,000万円とされています(令和8~12年入居分の一般的な上限、特例対象個人を除く)。
既存住宅(中古)の場合は、認定住宅で4,500万円、ZEH水準省エネ住宅や省エネ基準適合住宅で3,000万円が標準的な上限です。
また、省エネ基準を満たさないその他の住宅は、建築確認日や入居時期によっては借入限度額2,000万円・控除期間10年の経過措置のみとなり、その後は対象外となるスケジュールが示されています。
このため、これから計画を立てる方は、性能区分ごとの借入限度額と自分の予算とのバランスを早めに確認しておく必要があります。
次に、対象住宅の区分ごとの違いです。
認定長期優良住宅や認定低炭素住宅は、耐久性や省エネ性能などについて所管行政庁の認定を受けた住宅であり、住宅ローン控除では最も高い借入限度額が設定されています。
ZEH水準省エネ住宅は、省エネ基準を満たしたうえで一次エネルギー消費量の削減率が一定以上である住宅で、認定住宅よりはやや低いものの高い借入限度額が認められます。
省エネ基準適合住宅は、建築物省エネ法に基づく省エネ基準を満たす住宅で、住宅ローン控除の適用対象となりますが、新築については令和9年12月31日までの建築確認・令和10年6月30日までの建築といった期限が設けられている点に注意が必要です。
| 住宅区分 | 新築等の借入限度額 | 既存住宅の借入限度額 |
|---|---|---|
| 認定長期優良住宅等 | 上限5,000万円 | 上限4,500万円 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 上限4,500万円 | 上限3,000万円 |
| 省エネ基準適合住宅 | 上限3,000万円 | 上限3,000万円 |
さらに、2026年以降の住宅ローン控除では、床面積や所得などの主要要件も整理して確認しておくことが重要です。
床面積要件は原則50㎡以上ですが、一定の所得水準以下の場合には40㎡以上に緩和されており、夫婦共働き世帯などでは合計所得の見込みを踏まえた検討が必要になります。
また、合計所得金額が一定額を超えると住宅ローン控除の適用対象外となるため、年収と各種控除後の所得額を把握しておくことが欠かせません。
加えて、入居期限(令和12年12月31日まで)や建築確認日、増改築の場合の工事完了日など、時期に関する要件も細かいため、契約前に最新の国税庁や国土交通省の情報を確認しつつ、余裕を持ったスケジュールで計画することが大切です。
中古住宅・リフォームでの住宅ローン控除2026年改定ポイント
2026年度税制改正では、既存住宅の利活用を進めるため、中古住宅に対する住宅ローン控除が大きく見直されています。
特に、省エネ性能の高い認定住宅やZEH水準省エネ住宅については、借入限度額の引上げと控除期間の拡充が行われました。
また、省エネ基準適合以上の既存住宅について、控除期間が13年間に延長され、良質な中古住宅を選ぶほど控除メリットが大きくなる仕組みになっています。
こうした改正により、新築だけでなく中古住宅も有力な選択肢として位置付けられている点が重要です。
増改築やリフォームについても、住宅ローン控除と各種リフォーム減税の適用期間が延長されました。
住宅ローンを利用した一定の増改築・リフォームでは、年末ローン残高の0.7%を最長10年間控除できる仕組みが引き続き利用できます。
加えて、リフォーム促進税制では、所得税の特例が2026年1月1日から2028年12月31日まで、固定資産税の特例が2026年4月1日から2031年3月31日まで延長されています。
省エネ改修や耐震改修など、工事内容に応じて控除や税額軽減の制度が異なるため、計画段階で制度ごとの要件と期間を整理しておくことが大切です。
中古住宅を取得してリフォームを行う場合には、住宅ローン控除を受けるための証明書類や入居時期の管理がより重要になります。
一定の省エネ性能や耐震性能を満たすことを証明するために、増改築等工事証明書や住宅耐震改修証明書などが必要となるケースがあります。
また、住宅ローン減税やリフォーム促進税制は、原則としてその年の12月31日までに工事を完了し、居住を開始していることが条件とされています。
中古取得とリフォームを組み合わせる際には、売買契約・工事契約・引き渡し・入居の時期が控除適用期間内に収まるよう、余裕を持ったスケジュールを組むことが欠かせません。
| 区分 | 主な改正内容 | 実務上の注意点 |
|---|---|---|
| 中古住宅取得 | 省エネ既存住宅の借入限度額引上げ | 住宅性能区分と借入限度額の確認 |
| 増改築・リフォーム | 住宅ローン減税とリフォーム減税の期間延長 | 工事内容ごとの適用制度と期限整理 |
| 中古+リフォーム | 性能証明書の活用による控除適用 | 証明書の取得時期と入居時期の管理 |
2026年以降に住宅取得を検討する人の賢い準備と手続き
まず、2026年税制改正後は、入居時期と建築確認日が住宅ローン控除の可否や控除期間に直結する点を押さえることが大切です。
国土交通省の資料では、適用期限が2026年1月1日から2030年12月31日入居分まで延長される一方で、建築確認の時期により借入限度額や対象外となる住宅が示されています。
また、2028年以降に建築確認を受ける住宅や、災害リスクの高い区域における新築住宅には個別の取扱いが定められているため、設計段階からスケジュールと立地条件を確認しておく必要があります。
このように、資金計画だけでなく「いつ建てて、いつ入居するか」を早い段階から逆算しておくことが重要です。
次に、2026年以降は住宅ローン控除の申告手続きで、従来の確定申告や年末調整に加えて「調書方式」が導入される点に注意が必要です。
調書方式とは、金融機関等が税務署へ提出する調書を通じて、住宅ローン控除に必要な情報が共有される仕組みであり、これにより一部の納税者は証明書類の提出が簡素化されます。
ただし、初年度に確定申告が必要となる点や、調書方式の対象とならない金融機関からの借入では、引き続き「住宅借入金等特別控除証明書」や登記事項証明書などの書類が必要です。
そのため、借入先を選ぶ段階で、調書方式への対応状況や、控除適用に必要な書類の発行方法を確認しておくと安心です。
さらに、2026年税制改正を踏まえて、損をしないための事前チェックポイントを整理しておくことが重要です。
具体的には、入居予定日が住宅ローン控除の適用期限(2030年12月31日)内に収まるか、建築確認日が省エネ要件や借入限度額の有利な条件を満たす時期かどうかを必ず確認することが挙げられます。
加えて、災害レッドゾーンとされる区域での新築住宅が将来的に対象外となる取扱いが示されているため、ハザードマップの確認や、やむを得ず該当区域で建築する場合の控除可否を事前に把握しておく必要があります。
これらの点を整理しながら、設計・契約・建築確認・入居までの流れを、自身のライフプランと税制のスケジュールに合わせて計画することが大切です。
| 確認項目 | 主な内容 | 確認タイミング |
|---|---|---|
| 入居期限の確認 | 2030年12月31日入居可否 | 計画立案時 |
| 建築確認日の把握 | 省エネ要件と限度額 | 設計・申請時 |
| 災害リスクの確認 | 災害レッドゾーン該当性 | 土地選び時 |
| 申告方式の確認 | 調書方式対応状況 | 金融機関選定時 |
まとめ
2026年の税制改正では、住宅ローン控除の適用期限が2030年入居分まで延長され、控除率0.7%や控除期間も整理されています。
新築だけでなく中古住宅やリフォームも含め、省エネ性能や床面積、所得要件、入居時期などの条件を満たせば大きな節税が期待できます。
一方で、建築確認日や申告手続きの方法など、個別の状況ごとに確認すべきポイントも多くあります。
当社では、最新の税制改正を踏まえた住宅ローン控除の活用シミュレーションや、物件選び・資金計画のご相談まで丁寧にサポートしています。
「自分の場合はいくら控除が受けられるのか知りたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
