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賃貸で地震被害を受けたらどうなる?補償内容と手続きの流れを解説

八代市賃貸

橋本 菜美

筆者 橋本 菜美

不動産キャリア1年

賃貸物件で地震の被害に遭うと、部屋や家財が壊れた不安の中で、補償はどこまで受けられるのかが大きな心配事になります。
火災保険や地震保険に加入していても、実際にどの損害が対象になり、どこから先が自己負担になるのかは、契約内容や状況によって大きく異なります。
さらに、家賃の支払いを続けるべきか、退去や引っ越しをどう考えるか、公的な支援を利用できるのかなど、短期間で判断しなければならないことも少なくありません。
この記事では、賃貸で地震被害に遭った入居者の方が知っておきたい補償の基本から、家財や部屋の修繕、家賃・退去、公的支援のポイント、そして今からできる備えまでを、順を追って整理して解説します。

賃貸で地震被害に遭ったときの基本的な補償範囲

賃貸物件では、建物そのものは貸主が所有し、室内の家具や家電などの家財は入居者が所有するという区別があります。
地震で建物の柱や外壁が損壊した場合、その物的損害の主体は貸主であり、通常は貸主側が加入する火災保険や地震保険の対象となります。
一方で、室内に置いてあるテレビや冷蔵庫、本棚などが倒れて壊れた場合は、入居者の家財の損害となり、入居者自身が加入している保険での補償が検討されます。
このように、誰の所有物かによって、請求先となる保険や補償の可否が大きく変わる点を押さえておくことが大切です。

まず、地震保険は居住用の建物と家財を対象とし、地震や噴火、その津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害を補償する仕組みです。
火災保険は火災や落雷、風災などを補償しますが、地震や津波を原因とする損害は、原則として補償の対象外とされています。
したがって、地震による建物や家財の損害について補償を受けるには、火災保険と合わせて地震保険を付帯しているか、または地震に関する補償を含む共済に加入しているかどうかが重要な確認点になります。
共済でも、火災共済に地震共済金補償特約などを付けることで、一定の割合で地震による損害を補償する制度が設けられている例があります。

賃貸入居者が加入することの多い家財保険は、室内の家財に対する火災や水ぬれなどの損害を補償する一方で、地震が原因の損害は、地震保険を付帯していなければ対象外となるのが一般的です。
また、借家人賠償責任保険は、入居者の不注意による火災などで建物に損害を与え、貸主に対して法律上の損害賠償責任を負った場合に備える保険であり、地震そのものによる建物損壊は対象外とされる商品が多くみられます。
そのため、地震が原因で天井や壁が崩れたような損害は、借家人賠償責任保険ではなく、貸主側の火災保険に付帯された地震保険や共済などで対応することが基本的な整理となります。
一方で、入居者の家財のうち、補償の対象外となる貴金属や現金、時価額が少ない古い家電などは、自己負担となる可能性が高いため、事前に保険約款をよく確認しておくことが重要です。

対象となるもの 主な所有者 地震時の補償の考え方
建物本体・共用部分 貸主 貸主側の火災保険・地震保険等
室内の家具・家電 入居者 入居者側の家財保険・地震保険等
入居者の過失による損害 入居者 借家人賠償責任保険等の対象

地震で部屋や家財が壊れたときの補償と手続き

まず、地震で壊れた家具や家電といった家財については、一般に火災保険に付帯する地震保険や、共済の地震共済が補償の対象となります。
これらの保険では、生活用動産である家財を対象とし、損害の程度に応じて「全損」「大半損」「小半損」「一部損」といった区分ごとに保険金が支払われます。
支払額は、契約した保険金額の範囲内で、家財の時価額を上限とし、損害区分に応じた割合を乗じる形が一般的です。
そのため、高価な家財でも、購入時価格ではなく、経年劣化を踏まえた時価で計算される点を理解しておくことが大切です。

次に、借りている部屋の壁や床、天井、設備などが地震で損傷した場合についてです。
民法では、賃貸人が賃貸物の使用収益に必要な修繕義務を負うと定められており、入居者に重大な過失がない地震被害であれば、原則として建物や設備の修繕は貸主側の負担となります。
また、建物が一部損壊にとどまる場合には、可能な範囲で貸主が修繕を行うことが想定されており、修繕費用は貸主が加入する火災保険や地震保険で賄われることが多いです。
ただし、契約書に特約がある場合や、入居者の明らかな過失を伴う損害がある場合には、負担関係が変わることがあるため、契約内容の確認が重要です。

補償を受けるためには、早い段階で被害状況を整理し、必要な書類を整えることが欠かせません。
まず、壊れた家財や室内の損傷箇所を、片付ける前に複数方向から写真に残し、被害の範囲と程度が分かるように記録します。
併せて、市区町村が発行する罹災証明書は、保険金請求や各種公的支援の判断材料となるため、住家の被害認定の結果を踏まえて必ず取得しておきます。
そのうえで、保険証券や契約書を手元に用意し、保険会社や共済窓口に連絡して、必要書類の案内に従いながら、申請書・写真・見積書などを順に提出する流れが一般的です。

段階 入居者が準備するもの ポイント
被害直後の対応 室内と家財の写真記録 片付け前の状態を撮影
公的な証明取得 罹災証明書の申請書類 市区町村窓口で手続き
保険金請求準備 保険証券と見積書等 補償内容と限度額確認

住めなくなった賃貸物件の退去と家賃負担、公的支援の基本

地震の影響で建物の損傷が大きく、安全に住み続けることが難しくなった場合、まず確認したいのが賃貸借契約と家賃負担の扱いです。
一般に、住むことができないほどの被害が出たときは、貸主と借主の双方で建物の状況を確認し、契約の継続が適切かどうかを協議することが重要です。
また、被害認定や罹災証明書の結果を踏まえて、解約時期や家賃の減額・免除が検討されるケースもあります。
そのため、独断で家賃を止めるのではなく、管理会社や貸主と早めに相談し、書面で取り決めを残しておくことが大切です。

自宅が被害を受けて住み続けることが難しくなった場合、災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与が行われることがあります。
この応急仮設住宅には、建設して供与する方式のほか、民間賃貸住宅を自治体が借り上げて提供する賃貸型応急住宅があり、被災者の一時的な住まいの確保に活用されています。
また、大規模災害時には、公営住宅の活用や、民間賃貸住宅への入居費用を公費で一部支援する取り組みが行われることもあります。
これらの制度の具体的な対象条件や申請方法は、災害ごとに自治体が定めるため、必ずお住まいの市区町村の窓口や、防災関連の公的情報を確認することが重要です。

さらに、地震によって住宅や家財に大きな損害を受けた場合、税制面の支援を受けられる可能性があります。
国税庁の案内では、住宅や家財の損害額が一定割合以上となった場合に、雑損控除か、所得税の軽減・免除のいずれかを選択できる仕組みが示されており、災害による負担を軽くすることができます。
また、被災者生活再建支援金など、住家の被害認定や罹災証明書をもとに支給される現金給付の制度も設けられており、公的な生活再建の支えになります。
制度の内容や申請期限は災害や年度によって変わることがあるため、内閣府や首相官邸などの最新情報と、税務署・自治体窓口での確認を欠かさないようにしましょう。

場面 主な支援・調整内容 相談先の例
住めない賃貸からの退去 契約終了時期と家賃負担の協議 管理会社・貸主
新たな住まいの確保 応急仮設住宅・賃貸型応急住宅 市区町村の窓口
家計負担の軽減 所得税の控除・軽減制度 税務署・相談窓口

賃貸入居者が今からできる地震被害への補償対策

まずは現在の賃貸借契約書と、加入している火災保険や地震保険などの保険証券を丁寧に見直すことが大切です。
賃貸物件の場合、多くは家財の火災保険に地震保険を付帯して加入する仕組みになっており、建物部分の地震保険は所有者側が手配していることが一般的です。
そのうえで、地震による家財の損害が補償対象かどうか、保険金額の上限、免責金額や自己負担額の有無などを確認し、想定する被害額と過不足がないか整理しておくと安心です。
あわせて、更新時期や保険期間も確認し、切れ目なく補償が続くよう管理しておくことが重要です。

次に、賃貸入居者として検討したいのが、家財を対象とした火災保険に地震保険を組み合わせることです。
地震保険は地震・噴火・津波を原因とする火災や損壊などによる建物・家財の損害を補償する制度であり、火災保険とセットで契約し、家財についても加入することができます。
さらに、借家人賠償責任補償や個人賠償責任補償が付帯されていると、入居者の過失により貸主に損害賠償責任を負った場合の費用をカバーできるため、約款で対象となる事故や、地震による損害が含まれるかどうかを必ず確認することが大切です。
補償額を厚くする際は、保険料とのバランスや、同じ内容の補償に二重に加入していないかもあわせて点検しましょう。

さらに、保険による補償だけに頼らず、地震そのものの被害を小さくする備えも欠かせません。
内閣府の防災情報では、家具や家電を転倒させないために、壁や天井、床に金具やベルトなど複数の器具を併用して固定することや、家具の上に壊れやすい物を置かないことなどが推奨されています。
また、日頃から避難経路や非常用持出品を家族で確認しておき、保険証券や本人確認書類、賃貸借契約書の写しなどは、水害や火災にも耐えやすい耐火金庫や防水ファイルなどにまとめて保管しておくと、被災後の保険金請求や各種手続きがスムーズになります。
このように、契約内容の把握と補償の整備、そして物理的な防災対策を組み合わせることで、賃貸入居者の地震リスクを総合的に軽減することができます。

確認・備えの項目 主な内容 チェックのポイント
保険契約内容の確認 補償対象と保険金額 地震被害と自己負担の有無
補償の見直し 地震保険と各種特約 家財額と重複加入の有無
物理的な防災対策 家具固定と避難準備 固定状況と重要書類保管

まとめ

賃貸で地震被害に遭った場合、建物部分は貸主側、家財は入居者側など、どこまで補償されるかを正しく理解することが重要です。
家財保険や地震保険、借家人賠償責任補償、公的支援などを組み合わせることで、自己負担を大きく減らせる可能性があります。
当社では、現在の賃貸契約や保険内容の確認から、被害後の手続きの流れ、今からできる備えまで、お客様の状況に合わせて丁寧にご説明いたします。
「自分はどこまで補償されるのか不安」「何から手を付ければよいかわからない」という方は、どうぞお気軽に当社へご相談ください。

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